TVドラマとは違う実際の探偵像
記憶に新しい、大阪・池田小学校で児童が刺殺された事件以降、小学生が被害者となる凶悪事件が急増しています。
広島でも矢野地区で悲しい事件が起こってしまいました。
さて、我々、探偵の仕事の多くが尾行監視調査であることは言うまでもありませんが、このような悲劇的な事件が起こると、張り込みを行う調査員はいつも以上に大変な苦労をすることになります。
住宅街や学校が近い場合、調査員が同じ場所に一時間も佇んでいるだけで、不審者や不審車両として通報されてしまうことも最近では珍しいことではありません。時には事件の容疑者としてリストアップされることすらたびたび起こっています。
今回はそんな実例をお話しましょう。
平成16年のある日、ある有名企業からの依頼で私たちはある人物の行動監視調査を行っていました。
その日、早朝から監視態勢をとっていましたが、午後3時を過ぎたころからサイレンを鳴らしたパトカーを頻繁に目にするようになりました。『何かがあったらしい』と調査員から連絡が入り、その日は、調査対象者も目立った動きを見せていなかったため、調査を一時中断し、調査スタッフを全員その場から引き上げさせることにしました。
翌日の朝刊には、廿日市の郊外で起こった殺人事件が大きく報道されていました。記事を読むと我々が調査を行っていた現場から約1.5kmほどの場所が事件現場であることが分かりました。近いといえば近いし、遠いといえば遠い距離です。
我々は、重要な映像があれば事件解決に役立つというしごく当然の人道的な目的とともに、その結果として「探偵業自体に光があたり、我々の仕事が世間から大いに見直される!」と、取らぬ狸の皮算用をしてみました。
調査中に撮影していたビデオカメラの映像に、事件の手掛かりとなるような人物や車の姿が映っていないかどうか、何度も何度も確認したのですが(プライバシー保護の観点から、調査対象者以外の映像は極力撮影しないことが、調査中におけるビデオ撮影の基本のため)残念ながら事件解明に役立つような映像は何もありませんでした。
そして、皮算用の失敗から数日後のことでした。
事件を担当されている刑事さんから当社に電話があり、「事件当時、事件現場の周辺で目撃された車、すべての持ち主に確認をとっている」ということでした。
刑事さんの話では、普段使っている数台の車両のうち1台が事件前後に目撃されており、しかも駐車位置が度々移動しているため(調査する側にしてみれば、当然の手法ですが)に不審車両としてリストアップされてしまっていたようです。
電話での簡単な質問の後、数十分後には刑事さんが直接当社までいらっしゃいました。
話を聞いてみると不審車両として挙げられた当社の車両は、事件後に同案件の調査で使用していたものでした。事件当日は別の車両を使用していましたが、事件後、普段よりも警戒度を強めていた付近の住民の目に止まり、通報されたようでした。
刑事さんには、数日前から同現場周辺で監視調査を行っていたことを、ありのままお話しました。
刑事さんは、我々の調査日報や車両日誌、ビデオ映像を食い入るように丹念に確認した後、『ビデオ映像に何か映っていたら大手柄でしたがねぇー。いや、わしらも助かったんだがね。ご協力どうもありがとう。何か事件当時のことで思い出すことがあったら何でもいいので連絡してください』と言い残し、帰って行かれました。
『殺人という重大事件を何としても必ず解明し、犯人を挙げる!』という刑事さんの気概が強く伝わってきました。一広島市民としても警察の姿勢を間近に感じ、安心感すら覚えました。
とはいえ、我々探偵会社はこのような事件に巻き込まれるリスクが常にあるということを再確認させられた出来事でもありました。
TVドラマでは、警察の警部と探偵が協力し合って事件を解決に導く場面が多く見られますが、実際には、そういうことは全くありません。ただ、そういう場面を実際に作るためにも、この事件以後、調査中にはこれまで以上に周辺の状況を撮影することにしました。何か事件が起きた際には、当社の撮影したビデオ映像がその解明に役立つ手掛かりとなる可能性が少なからずあると気付いたからです。
広島でも矢野地区で悲しい事件が起こってしまいました。
さて、我々、探偵の仕事の多くが尾行監視調査であることは言うまでもありませんが、このような悲劇的な事件が起こると、張り込みを行う調査員はいつも以上に大変な苦労をすることになります。
住宅街や学校が近い場合、調査員が同じ場所に一時間も佇んでいるだけで、不審者や不審車両として通報されてしまうことも最近では珍しいことではありません。時には事件の容疑者としてリストアップされることすらたびたび起こっています。
今回はそんな実例をお話しましょう。
平成16年のある日、ある有名企業からの依頼で私たちはある人物の行動監視調査を行っていました。
その日、早朝から監視態勢をとっていましたが、午後3時を過ぎたころからサイレンを鳴らしたパトカーを頻繁に目にするようになりました。『何かがあったらしい』と調査員から連絡が入り、その日は、調査対象者も目立った動きを見せていなかったため、調査を一時中断し、調査スタッフを全員その場から引き上げさせることにしました。
翌日の朝刊には、廿日市の郊外で起こった殺人事件が大きく報道されていました。記事を読むと我々が調査を行っていた現場から約1.5kmほどの場所が事件現場であることが分かりました。近いといえば近いし、遠いといえば遠い距離です。
我々は、重要な映像があれば事件解決に役立つというしごく当然の人道的な目的とともに、その結果として「探偵業自体に光があたり、我々の仕事が世間から大いに見直される!」と、取らぬ狸の皮算用をしてみました。
調査中に撮影していたビデオカメラの映像に、事件の手掛かりとなるような人物や車の姿が映っていないかどうか、何度も何度も確認したのですが(プライバシー保護の観点から、調査対象者以外の映像は極力撮影しないことが、調査中におけるビデオ撮影の基本のため)残念ながら事件解明に役立つような映像は何もありませんでした。
そして、皮算用の失敗から数日後のことでした。
事件を担当されている刑事さんから当社に電話があり、「事件当時、事件現場の周辺で目撃された車、すべての持ち主に確認をとっている」ということでした。
刑事さんの話では、普段使っている数台の車両のうち1台が事件前後に目撃されており、しかも駐車位置が度々移動しているため(調査する側にしてみれば、当然の手法ですが)に不審車両としてリストアップされてしまっていたようです。
電話での簡単な質問の後、数十分後には刑事さんが直接当社までいらっしゃいました。
話を聞いてみると不審車両として挙げられた当社の車両は、事件後に同案件の調査で使用していたものでした。事件当日は別の車両を使用していましたが、事件後、普段よりも警戒度を強めていた付近の住民の目に止まり、通報されたようでした。
刑事さんには、数日前から同現場周辺で監視調査を行っていたことを、ありのままお話しました。
刑事さんは、我々の調査日報や車両日誌、ビデオ映像を食い入るように丹念に確認した後、『ビデオ映像に何か映っていたら大手柄でしたがねぇー。いや、わしらも助かったんだがね。ご協力どうもありがとう。何か事件当時のことで思い出すことがあったら何でもいいので連絡してください』と言い残し、帰って行かれました。
『殺人という重大事件を何としても必ず解明し、犯人を挙げる!』という刑事さんの気概が強く伝わってきました。一広島市民としても警察の姿勢を間近に感じ、安心感すら覚えました。
とはいえ、我々探偵会社はこのような事件に巻き込まれるリスクが常にあるということを再確認させられた出来事でもありました。
TVドラマでは、警察の警部と探偵が協力し合って事件を解決に導く場面が多く見られますが、実際には、そういうことは全くありません。ただ、そういう場面を実際に作るためにも、この事件以後、調査中にはこれまで以上に周辺の状況を撮影することにしました。何か事件が起きた際には、当社の撮影したビデオ映像がその解明に役立つ手掛かりとなる可能性が少なからずあると気付いたからです。
